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特集! degree BMX magazine 山崎 肇インタビュー
BMX唯一の専門誌「degree bmx magazine」の編集長・ 山崎 肇氏にインタビューをしてみました。
インタビュー記事は下の“続きを読む”をクリックして御覧下さい。
山崎氏のBMXへの情熱が感じられますよ!
「degree bmx magazine編集長・山崎肇インタビュー 第一回」
「degree bmx magazine」を見たか? 書店でなくBMX shopなどで手に入るこの本は、BMXをアーティスティックな写真で魅せ、内容もバランス良く様々な情報が詰め込まれ、またメーカーの広告には日本人ライダーが登場しており、まさに日本のBMXフリースタイルシーンの今を世に伝えている。
この雑誌の編集長は、BMXライダーの山崎 肇。映像、ネットといった新しいBMXメディアを作り上げたjuicy visionのオリジナルメンバーであり、スタイリッシュで高いスキルを持つライダーである。
その彼にインタビューを試みた。今回は第一回目である。なぜなら彼のdegreeとBMXに対する情熱は一回では書ききれないので…
Matz(以下M):どうも〜このたびはよろしくおねがいします。では早速…
ベタだけど、degree bmx magazineをはじめたのはどうして?
山崎(以下Y):受動的に考えると、フリーダムがなくなって、シーンに求められていたし、BMXライダーが立ち上げないといけないと思っていた。
M:ライダーが立ち上げないといけないと思ったのはなぜ?
Y:自分で雑誌を立ち上げようと考えて始めたのはちょうど1年前くらいから。フリーダムでも関わっていたけど、自分の思うような雑誌にはならなかった。だからないものは自分で作るしかないかなって。賛同してくれるメーカーやショップ、ライダーのみんなのおかげでこうして立ち上げることができた。
でも一番どうして立ち上げたのかって尋ねられたら、やっぱり答えはひとつ。俺たちが海外の雑誌を見たときの憧れのようなものを日本の雑誌で実現したかった。
ライダーが立ち上げないといけないと思ったのは、10年、20年後のことを真剣に考えながら今何をすべきか判断できるのはライダーだけだから。
M:始めた頃の情報はやはり海外誌からなんだね? あの時の感動はライダーなら誰もがあるよね。ではそれを実現しようと思いはじめたのはいつごろから? 僕が感じるのは(degreeを立ち上げたことに関して)、肇ちゃんにとって、雑誌を作るのは必然だったと思うんだ。比較的長い付き合いの中で、徐々に紙媒体に興味を持ってきたように感じるんだよね(*山崎氏はBMXのビデオマガジン「bG」TVプログラム「bGTV」など映像を手掛けていた)。フリーダムがなくなって、国内BMXシーンはまたもや冬の時代に突入しまたも氷河期となったけど、degreeができて、にわかに盛り上がってきたと思う。その辺は肇ちゃん的にはどう感じる?
Y:確かに氷河期かもしれないけど、俺がBMX始めた8年前はこんなにパークなんてなかったし、ライダーもすぐに覚えれるほどしかいなかった。でも今は全国にキーになるライダーがたくさんいる。パークもたくさんできた。波はあるけど、確実に成長している。まだまだ偏りがあるのかもしれないけど、マーケットはその頃にくらべたら拡大しているはず。どこのパークも閉鎖なら悲観的になるのはわかるけど、今はスケートパーク建設ラッシュ。波の一番ボトムにいるだけ。できることは山ほどあるのに、それをしないで悲観することはない。
紙の媒体は歴史になる。インターネットは情報が多すぎてすぐに過去になる。そして過去は古くなって消えてゆく。フリーダムがなくなって、ぽっかり2年分の日本歴史に空白ができてしまった。
これから日本フリースタイルの歴史書が残ってゆく。その最初がdegreeであって欲しい。いずれスケートのシーンのようにフリーペーパーや雑誌で歴史を作ってゆく奴らが必ず現れるはず。
この雑誌ができて、にわかに活気づいて、そのうちみんな知って、当たり前になって、飽和する。勝負はそこからかな。そこからどれだけ新しい層にBMXを伝えるか。
M:新しい層にBMXを伝えるとは’、具体的にどのようなこと?
Y:新しい層に伝えること。これが一番難しいけどまた一番楽しいことでもある。何もメッセージはいらない。この本を人に渡す。あとは読み手が感じてくれればいい。それでBMXを知ってもらえれば合格。BMXを好きになってもらったら最高。BMXのファンになってしまえばこっちのもの。BMX買ってくれればライダーが一人増える。1万枚配って「知る人」「好きになる人」「ファンになる人」「BMX買う人」。どれかが一人でもいればそれは大成功なわけで。地道だけど、その繰り返し。
それがレコ屋に並べば一日に何人もの人が雑誌の前を通りすぎる。全国の書店に並べば一日に何百人の人がその前を行き来する。一瞬感動してくれればいい。一瞬BMXという言葉を覚えてくれるだけでもいい。
M:今、日本のBMXシーンに求めることは何だろう? 足りないと思うのは何かな?
Y:シーンに求めること、足りない事は二つ。ひとつは「間違いない」?っていうのかな、「しっかりとしたコア層」。どんなX-GAMESのようなイベントがあっても、テレビに出演するスターライダーが現れても、新しいライダーが増えても、コア層がしっかり受け入れてくれないと、シーンは広まらない。パッと見でBMX始めてコアの人たちを見て愕然としたら、そいつら続けないでしょ。もうひとつは「人に伝える力」。どんなに良いイベントをしても、どんなにヤバいトリックをしても、その感動を他に伝えることができなければシーンは広まらない。ときには演出も必要だと思う。その場で見た感動が100%ならば、使い捨てカメラで撮ればその感動は数%。でもばっちりストロボをキメて、フィルム選んで、構図選べば、その100%にいくらか近づくことができる。文章でも、映像でも同じ。伝える力がもっと必要。噂話ではなく、百聞は一見にしかず的に。その一見に心を込めて。そしてそれにメッセージを添えて
M:そうだね、その伝える方法は今の肇ちゃんにとっては紙の媒体だったということかな? それから、コア層についてだけど、足りないに加えてなかなか育たないのが現状。それについてはどう考えてる?
Y:コア層には旅をしてすこしづつ伝えるしかないと思う。昔と違って、今は他のディストリビューションやメーカーとも話ができるし、何が足りないのかみんなわかってきたから時間はかかるけど、伝えてゆく。degreeで各地を巡るのはそのため。大会ではなかなか語れないけど、一対一でフォトセッションをすると色んな会話が生まれる。
M:確かに大会では’語りあえる時間がないね。フォトセッションをするライダーとは時間をかけて話をするの?
Y:ふざけあったり、酒飲んだり、メシ食ったりする中で自然と生まれてくる会話。俺は一人で旅をするのが好き。一人だと相手もオープンになるから。みんなでワイワイも好きだけど、今は一人で動いて、開く作業。だいたいその地域のシーンの悩みや問題を話す。
M:たとえばどんな悩みを持っている?
Y:悩みは、環境のことが一番多いかな。乗る場所。
M:一緒に乗ることは?
Y:俺は欲張りなのかな、あの機材も、この機材もって使うかわからんもの全部持っていくから車で行けないときはBMX持っていけない。だから乗れない。持っていけたら絶対乗るけど、天気とか微妙で、結局撮影優先になることが多いかな。
M:フォトセッションの相手は肇ちゃんのことを知っている場合が多い? 知らない人と絡んだことは?
Y:フォトセッションの相手は知らないやつでも、フォトセッションしたら友達になるから、知らない人と絡んだことはない。屁理屈かもしれないけど、知らないヤツと一緒に乗るくらいなら友達になって一緒に乗った方が楽しいっしょ。そんな感じ。
M:全くそのとおりですね。では、彼らは結構うまかったりするけど、なかなかあかぬけたヤツが現れない。それはなぜだと思う? 何をすればよいのかがわからないのか? だとしたらライダーが雑誌を作ったってことは大きなキッカケを与えることになるね?
Y:でも個人競技だからそういう感じ多いのかも。自分も結構そうだったし。
今までのBMXは輸入品。輸入品を消耗していたら輸入品以上にはならない。雑誌で例えるなら「海外のBMXやばいっしょ」っていう記事だったら、「日本の方がやばいっしょ」ってこれから言えるかどうか。あかぬけるためには、これもやっぱり動き続けるしかないのかな、俺が無理矢理声かけます。
M:あかぬけるきっかけを与える記事を作ればよいんじゃない?もちろん直接声をかけるのが一番だけれども
Y:人から認められるとあかぬけるんじゃないかな? 大会に出るのも、クラブでショウをやるのも、おねーちゃんが通っている前でわざと乗るやつも、カタチはちがっても要は認められていからなんじゃないかな?人間生きてて「認められる」っていうことに生き甲斐を感じてるのかも。
M:確かに。それもあるけどどれだけ自分で考えて、スタイルを確立できるか?? そうした人間的な部分というか、アーティスト的部分とスポーツとしてのスキル的な部分があるよね。それから、認められるって部分で、モテたいってのもあるね(笑い)たぶんだけど。
Y:認められる、モテる、もてはやされる、って、結構近い意味?
M:極論としては近いね。ただ、それは人それぞれの感覚だと思うからね。むしろ人に見られたくないライダーもいると思う。そうそう、どうしてフリーでなく有料にしたの? 意地悪な質問に感じるかもだけど、
Y:理由は二つ。書店流通を目標にしているから。欲しくないひとが手にもってクシャクシャになるのが嫌だから。ひとつ書店流通で本がでればあとはフリーでもいいとおもうし。
M:degreeがまず「やってくれた!」って感じたことのひとつに、日本のスポットを日本のライダーで見せたことだと思います。それは、今までの出版業界ではなかなかできなかったことだと思うんだけど。
Y:それはライダーだから。出版業界じゃないから。理由はそれだけ。
M:道を切り開くべく…ですね
Y:まだ2号しか出してないから。これから100号、200号って続けていくものだから。もし広告がなくなってボロボロになってもモノクロコピー1枚でも続けますよ。
今やってることが正しいとか正しくないとか、そんなこと考えている暇はなくて、ただただ、伝えたいこと、カタチにしたいことを自分ができる方法で表現したらdegreeになった。degreeは立ち止まらず走り続ける場所であってほしい。
山崎 肇とのつきあいは結構長い。彼との初対面は横浜の緑山スタジオ内BMXレーストラックだったと思う。そのときの彼はMTBでレースに出ていて、いつも笑顔のひとなつこい17,18歳の少年だった。地元にダートジャンプを作っていて、なかなかやる気のあるライダーだった。
あるとき彼が自分と仲間とのMTBライディングビデオを持ってきた。自分たちで編集したものだ。その時から僕の脳に完全に「山崎 肇」という存在がインプットされたと記憶している。ライディング以外の手法でのライディングの自己表現をする若手が出てきた! BMXに乗ればいいのに! と強く思った覚えがある。気がつけばあれからもう10年という月日が経っているんだな。
それから、彼はいつの間にかBMXにすっかり乗り換えていた。その後、数年で彼はBMXフリースタイルシーンで注目のNEW GENERATIONとなる。そして彼は植山SHOE-GらとBMXビデオレーベル「juicy vision」を立ち上げ、映像の世界へ入った。
BMXライダーによるBMXライダーのための新しいメディアを作り上げたのだ。
その彼の新しい表現方法がdegreeだと言えるだろう。
degree bmx magazineは彼のBMXに対する情熱が全て詰まってると思う。
BMXと出会った全ての人にこの雑誌を手に取って欲しい。そしてdegreeを見て何かを感じて欲しいと思うのだ。
松永佳郎
I PATH JAPAN BMX ライダー、マネージャー フリーライター
2006年12月27日 16:25